2019.1.22 ヂヤンテイ君

日経新聞「数字で見るリアル世論」から見えたデジタル資本主義

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

日経新聞に世論調査の結果が
公開されていました。

 

数字で見るリアル世論 郵送調査2018

 

日本経済新聞社が実施した
郵送による世論調査のようです。

 

調査について
日経リサーチが2018年10~11月に全国の18歳以上の男女を無作為に抽出して郵送で実施。1673件の回答を得た。回答率は55.8%。

 

当社では「ネット」カテゴリーに
注目してみました。

 

まずは、上記のサイトにあった
世論調査結果の数字を
並べてみます。

 

 

 

 

 

 

この調査の関連で、
分析記事がありました。

 

日経新聞:個人情報「提供したくない」4割 本社郵送世論調査 (2019年1月21日)

 

 

こちらでは、若年層の
調査結果にも触れていましたので、

 

こちのら記事を中心に紹介します。

 

「企業に個人情報を提供したくない」
という人は全体で40%ですが、

 

世代別にすると、
60歳代が53%で最も高く、
18~20歳代は24%で
その半数以下だったようです。

 

全体的に、プライバシーに関して、
中高年層の抵抗感が強く、

 

18~20歳代の若年層は、
自力でリスクを管理して
積極的にネットを利用している
傾向にあると分析しています。

 

それを表す図がありましたので、
引用させていただきます。

 

 

 

右側の円の中にある数字が、
18~20歳代の数字で、

 

左側にある小さな文字の数字が
全体の数字。

 

若年層ほどネットに対して
肯定的であることが
分かります。

 

おおまかには、そうだろうな
と思いました。

 

若年層ほど、リスクを見極め
「自己責任」向き合おうという
気持ちがあるのも分かります。

 

それだけネットの利便性も
享受できているからだ
とも思います。

 

ネットにおける行動履歴を認識され、
それに対するレコメンド(オススメ)が
あることも意識している。

 

それさえも、自分でコントロールする
くらいの意識もあるのでしょう。

 

以前から、そういう話はあったものの、

 

グーグルやフェイスブックが、

 

無料でネットのサービスを
提供する代わりに個人情報を集めている
それも理解しているのでしょう。

 

YouTubeでおすすめの動画
がでないよりは、

 

より自分の好みに合った動画を
オススメしてくれた方が
ありがたいです。

 

ニュースアプリで、自分の興味が
ある記事が、オススメにでてきた
方が効率が良いですね。

 

自分のことを分かって
くれないと、精度が上がって
いかないので、

 

そういう意味では、個人情報を
ある程度提供することに対し
理解が必要になると思います。

 

今年のはじめにもこの記事で
書いたのですが、

 

コミュニケーションのもどかしさを快適に!

 

どこまで個人情報が知られて
しまって良いのか、

 

それを考えてみる必要があると思います。

 

昨年末に、インターネットの歴史を
辿りながら知ることになった
CDP(Customer Data Platform)
ともなると、

 

以前にも書きましたが、
ネット上の行動履歴のみならず、

 

オフライン購買情報、
IoT対応の製品から得られる情報
も含めて、

 

個人を特定し、あらゆるソースから
データをかき集め、

 

データを統合し個人を浮き彫りに
していくようなデータが
作られています。

 

それを裏付けるかのごとく、
Facebookなどの情報漏洩
問題が昨年は浮上してきました。

 

自分のことをできるだけ知ってもらい、
もっと精度の高いレコメンドがもらえる
快適なインターネットライフで
暮らしたい。

 

そう開き直ることだって
できるかもしれません。

 

スマートスピーカーも、
将来は、一人の人間のパートナー的な
存在になるのではないかと
予想できます。

 

グーグルのものは、アシスタントと
言いますし。

 

日本の若者は、ネットと
上手に付き合っているようなのですが、

 

海外では新たな動きが
でてきているようなのです。

 

これも、先ほどの記事の
中で紹介させてもらいました。

 

NHK:巨大IT企業 現場で何が(2018.12.25)

 

東洋経済ONLINE:「GAFAやめました」若者が離れ始めた根本理由(2018.12.25)

 

 

個人情報を牛耳る
GAFAなどから若者が
離れだしているようです。

 

これは先週末の記事なのですが、
日本でも総務省が、

 

「通信の秘密」などの規制を適用する
検討に入るとありました。

 

日経新聞:「通信の秘密」規制、GAFAに適用 総務省検討(2019.1.19)

 

 

本日はロシアで、
ツイッターとフェイスブックに対し、

 

法令順守態勢に関する説明に
問題があるとして処分を検討している
という内容の記事がでていました。

 

EUをはじめ、各国で同じような動きに
なっているという情報もあります。

 

既にユーザー個人でコントロール
できるような範囲を超えている
ことは理解しておいた方が
良いと思います。

 

以下の記事におもしろい
話があります。

 

ニュースイッチ:EUは個人情報保護で“GAFA”狙い撃ち、日本はどう向き合うか(2018.12.23)

 

GAFAに代表される
巨大プラットフォーマーが
どうして台頭するのか?

 

野村総合研究所の此本臣吾社長は、「人やモノが生み出す“活動情報”が新たな価値を創造する『デジタル資本主義』への構造変化が始まっている」と説明する。

 

「データに基づいて『知識生産性』を高め、新しい経済のパイを作り出さないと、日本のように人口が減っていく国ではじり貧になる」

 

 

先ほどの国による規制は、
個人情報保護の観点からとも
いえますが、

 

プラットフォーマーの独り勝ちを防ぎ、
経済格差が広がらないようにするため。

 

しいては、産業構造を転換するため。
そういう考え方が背景にあるようです。

 

日本は人口減少時代に入って
いるのですから、

 

『知識生産性』を高めることが、
持続的な成長を可能にすると
考えているようなのですね。

 

デジタルトランスフォーメーション
の推進というのも、
そういう話であり、

 

「通信の秘密」規制は、
「政府肝いりで議論が始まった」
と先ほどの記事のサブタイトルに
あるように、

 

国をあげて大いに議論を
してほしいと思います。

 

個人情報の提供と、
データ活用による利便性の向上、
このバランスをどう考えるか、

 

プラットフォーマー以外の
新たな知識生産企業を
どうやって育成できるのか
ですね。

 

日経新聞の世論調査から話が、
『デジタル資本主義』への構造変化
にまで発展してしまいましたが、

 

つながる社会になってきたことで、
構造変化が起こっている
ということを、

 

しっかり理解しておくべきだ
と考えてしまいました。

 

それは、今から、そして将来
自分が、会社が、何をしていくべきなのかを
思考転換が求められるのだという自覚です。

 

『デジタル資本主義』については、
また調べてみたいと思います。