2019.5.9 ヂヤンテイ君

針金があるから中綴じはNG。異物混入がない製本方法について

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

昨日、アパレルではないのですが、
衣類を扱うお客様のところで
打合せがありました。

 

その中で出た話の中に、
中綴じ製本のパンフレットは、
異物が入ることから採用していない、

 

そんな話がありました。

 

中綴じ製本は、確かに針金で綴じる
製本です。

 

かなり前となりますが、
靴の製造現場におじゃましたことが
あります。

 

靴に限らず、アパレル商品は、
検品の精度も品質につながり、

 

特にマチ針、ミシン針などの
危険物が混入を検出する
検針作業が通常業務となっていて、

 

日本は検品のクォリティーの
高さからも、海外のブランドから
評価されているという話を聞かせて
もらいました。

 

衣類を扱うお客様が、中綴じ製本の
針金を敬遠する気持ちはよく
理解できました。

 

書類などのホチキス止めも
基本的にやらないとのことでした。

 

業界によっては、こういう視点もあるのかと、
感心してしまいました。

 

異物混入を嫌うということであれば、
食品メーカーなどでも、
同じような話となるのかなと
想像してしまいました。

 

子ども向けのパンフレットで、
針金がある中綴じを避ける
という話は聞いたことがあります。

 

青年漫画誌に中綴じがあっても、
少年漫画誌は中綴じ製本のものは
ないように思います。

 

衣類を扱うお客様は、中綴じはNGなので、
冊子は無線綴じで作られています。

 

そこで、
異物混入防止という視点で、
他の製本を探してみました。

 

無線綴じ製本以外のものです。

 

一番先に頭に浮かぶのは、
スクラム製本です。

 

市や区の広報誌を思い浮かべて
もらうと分かり易いのですが、

 

2つ折りにした紙を重ね合わせて、
冊子のようにする製本方法です。

 

当社では入学試験問題を作る時に、
スクラム製本をすることがあります。

 

新聞もスクラム製本です。

 

重ねているだけなので、
紙は離れてしまいます。

 

冊子としては、やはり綴じていなければ
ならない、となったらどうでしょうか?

 

実は、折り糊綴じ製本というものが
あります。

 

中綴じと同じように、4ページ単位で
紙を重ねていく製本ながら、

 

糊を付けて製本するので、
針金を使いません。

 

冊子を廃棄する際に、リサイクル
しやすくなることから、エコ綴じ
とも呼ばれています。

 

基本的に中綴じなので、
無線綴じよりも、しっかり開く
製本方法となります。

 

しかし、あまり見ませんね。

 

見過ごしているだけかも
しれないのですが、

 

折り糊綴じ製本というものが
あることを紹介しておきます。

 

次に、開きやすい製本方法として、
PUR製本という製本方法があります。

 

もちろん異物混入防止にもなる
製本方法です。

 

あまり耳にしない製本方法だと思うのですが、
優れた製本方法です。

 

ページ数が多い冊子は、中綴じ製本が
できないため、

 

無線綴じ製本などの平綴じ製本に
する必要があるのですが、

 

中綴じ製本と違い、
ページの開きが良くありません。

 

レシピ本など、開いたまま本を
参照したい時は、重しになるものを
置いておかないと本が閉じてしまいます。

 

PUR製本は、ページ数が多い冊子でも、
開きやすい仕上がりとなる
製本方法なのです。

 

基本的に無線綴じと同じですが、
糊の部分に、PUR系ホットメルト接着剤を
使用していることから、
PUR製本という名称になっています。

 

PURは、ポリウレタンリアクティブの略。

 

PUR系ホットメルト接着剤は、
接着強度が強く、熱に強いという特徴が
あります。

 

接着剤が、熱を加えても軟化しないことから、
冊子をリサイクルで利用する際、
糊を除去しやすく、

 

環境に配慮した糊として指定されています。

 

私も、エコ印刷の勉強の中で、
この製本に出会いました。

 

異物が入っていないというよりも、
開きやすい冊子が必要な時に、

 

または、長期間使用しても、
ページがバラバラにならない
冊子が必要な時に、

 

検討してみることをお勧めします。

 

環境にも良い製本なので。

 

最後に紹介するのが、
エコ.プレスバインダーです。

 

実は、この記事を書くにあたって、
初めて知ったのですが、

 

針金なし、糊なし、加熱なし
の製本がありました。

 

究極のエコ製本冊子です。

 

プリントパックでは、
「エコプレス冊子」という商品名で
紹介されているのですが、

 

注文受付を終了したとなっていました。

 

紙に上下から圧力をかけて、
紙の繊維をからませる製本方法だ
そうです。

 

材料を使用しない、リサイクルにも
最適です。

 

本日のテーマである、異物混入が
許されない状況にも適しています。

 

しかし、プリントパックが
受付を終了しているように、
まだまだ一般的になっていないので
しょうね。

 

印刷物の場合、紙やインクで
環境に配慮した製品がありますが、

 

製本の情報は少ないので、
エコ.プレスバインダーはかなり
貴重な存在だと思います。

 

異物がまったく入っていない
ということであれば、
これしかないと思います。

 

いかがでしょうか?