2019.5.23 ヂヤンテイ君

モノクロ冊子の表紙に使うことが多い「色上質紙」について

※写真は、色上質ではありません。

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

本日は、お客様に、
色上質紙の色を選んでいただく
案件が重なったので、

 

色上質紙の説明をさせいただきます。

 

本日、色を選んでいただいたのは、
モノクロ冊子の表紙に使う色上質紙です。

 

シリーズで制作する冊子は、
表紙の紙の色を変えることで、

 

どれが最新の冊子なのか、一目瞭然
となります。

 

学校の教材などは、科目によって、
表紙の紙の色を変えることも
よくあります。

 

この場合も、
表紙の紙の色を分けておくことで、
識別しやすくなるからです。

 

色がつく紙は、色上質紙以外にも
ありますが、

 

色の紙の中では、比較的リーズナブルな
色上質紙を使うことが多くなります。

 

冊子の本文でよく使用するのが上質紙
という白い紙です。

 

聞いたことがある方も多いのでは
ないでしょうか?

 

色上質紙は、上質紙に色をつけたもの
というイメージになりますが、
色上質紙は模造紙の部類に入ります。

 

色上質紙には、いくつかの銘柄が
ありますが、

 

最もポピュラーなのが、
北越コーポレーション株式会社の
紀州の色上質紙」です。

 

現在、色の種類は33種。
紙の厚さは7種類あります。

 

紙の見本帳から、お客様に色を
選んでもらうこともありますが、

 

最近は、電話とメールでやり取りする
お客様も多く、

 

色上質紙の色を確認してもらうために、
以下のサイトをよく紹介しています。

 

株式会社緑陽社:色上質紙見本

 

有名な紙の販売会社、竹尾のサイトでは
このような画像がありました。

 

 

 

緑陽社のページは、とても分かりやすく、
色上質紙の色が紹介されていますが、
「白」だけ省いているようです。

 

色上質紙と言いながらも、「白」もあり、
普通の上質紙の白とは違い、

 

色上質紙の白」という色があると
考えてください。

 

色上質紙は33色あるのですが、
色によって紙の価格が異なります。

 

といっても、基本的な価格があり、
特殊なものだけが高いという
だけです。

 

特殊なものは特色と言い、
「赤」「黄」「白」「緑」
がそれにあたり、

 

一般色と言われるその他の色の
紙よりもやや高めになります。

 

もう1つ特々色の「黒」があり、
さらに価格が高くなります。

 

さきほど、「色上質紙の白」という
説明をしましたが、

 

一般色よりも価格が高いことから、
他の一般色同様、あまり選ばれる
ことはありません。

 

しかし、たまに、あえて
「色上質紙の白」が選ばれることもあり、
とても新鮮な仕上がりの印刷物が
出来上がります。

 

差別化を狙う印刷物に、
「色上質紙の白」はオススメです。

 

PCの画面で見る紙の色は、
実際の紙の色とは違います。

 

おおよそ、このような色であると
認識していただくために、
参照していただいているだけなので、

 

どうしても実際の紙の色を知りたい
という場合は、
紙の見本帳を見るのが一番です。

 

以下のページでは、
一般色、特色、特々色の違いが
表現されています。

 

紙の総合商社YOSHIOKA:色上質 (カラーコピー用紙)

 

紙の色の紹介の後、
スクロールしていくと、
色上質紙の価格が紹介されています。

 

紙の価格表は馴染みがない方が
多いと思いますが、
簡単に説明をさせていただきます。

 

寸法とあるところに「4/6」「A」と
あるのは、

 

色上質紙は、四六判と、A判がある
ということになります。

 

一般的な紙だと、さらにB判と、菊判
があるのですが、

 

色上質紙は、四六判と、A判限定という
ことになります。

 

四六判とか、菊判については、
こちらの記事を参照してください。

 

 

「コート90kg」「コート110kg」?これで完璧、印刷用紙の厚さ!

 

 

連量というのは、これも上記の
記事で説明をさせていただいたのですが、
紙の厚さを表します。

 

色上質紙の場合は、
70kg、90kgなどの表記ではなく、

 

このように紙の厚さを表現します。

特薄口
薄口
中厚口
厚口
特厚口
最厚口
超厚口

 

薄いとか、厚いとあるので、
分かりやすいと思いますが、

 

70kg、90kgなどの紙の厚さの
感覚になれてくると、

 

「厚口」「最厚口」って、
どれくらいの厚さなのか?
と疑問が湧いてきます。

 

そんな方のために、連量換算した
資料が以下になります。

 

特薄口  45kg
薄口     52kg
中厚口    66kg
厚口     78kg
特厚口  107kg
最厚口  132kg
超厚口  176kg

 

70kg、90kgなどと
比較ができるように、
四六判の連量換算です。

 

厚口といっても、70kgの紙よりも
やや厚いといった厚さとなります。

 

紙の目も表記されています。
T・・・縦目
Y・・・横目

 

紙には縦目と横目があり、
紙の目の違いが、我々にとっては
重要なのですが、

 

一般の方は知らなくも良いことなので、
ここでは説明を省きます。

 

印刷用紙は、バラで購入することは
ほとんどなく、
包みごとにまとめて購入します。

 

薄い紙だと、500枚でひと包み、
中くらいの厚さの紙だと、
250枚でひと包みなどです。

 

さらに、紙は全紙のものを
購入することになります。

 

先ほどのページにある価格表の
単価も、全紙1枚の金額です。

 

全紙というのは、
四六判であれば、788mm×1091mm
A判であれば、625mm×880mm
なので、かなり大きな紙です。

 

冊子の表紙で使用する色上質紙は、
特厚口か、最厚口が多く、

 

A4仕上がりの冊子を作る場合は、
A判の紙を使うため、

 

特厚口であれば、250包み、
最厚口であれば、200包み単位で
紙を購入することになります。

 

A4仕上がりの冊子の表紙に
必要なのは、A3サイズよりも
やや大きい紙なので、

 

A判の全紙であれば、
1枚で4冊分の印刷ができます。

 

250包み購入すると、1,000冊分の
印刷ができるということになります。

 

印刷はコピーと違い、
試し刷りをする必要があり、

 

実際は、800~900冊分くらいとなります。

 

しかし、必要な冊子が200冊など
小ロットの場合、紙代がもったいない
ということになります。

 

同じ価格で、800~900冊分は
印刷ができるのですから。

 

それでも、バラで購入するより、
包み単位で購入した方が安くなる
ケースがほとんどのため、
包み単位で購入することになります。

 

そのため、小ロットの場合、
工場に在庫している紙で
対応できる場合は、

 

在庫の紙の色をお客様にお伝えし、
少しでも紙代の無駄をなくすアドバイス
をさせてもらうこともあります。

 

先ほどのページにある紙の価格は、
そのサイトがEWEB上で販売している
価格なので、

 

あの価格表の金額が定価だという
訳ではありません。

 

それぞれの印刷会社で、それぞれの
価格があるのが、実際のところです。

 

色上質紙について、ほとんど説明
されていないことを、
今回は紹介させていただきました。

 

しかし、冊子作成時など、
色上質紙の選び方で、普段お客様に
お伝えしているような内容です。

 

印刷物の依頼の際に、
少しでも参考になれば幸いです。