2018.12.26 ヂヤンテイ君

インターネット広告の歴史を辿ってみました 【11】アトリビューション分析

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

本日も、
インターネット広告の歴史の続きです。

 

昨日は、2011年頃に登場した
3PAS(第三者配信)について
見てきました。

 

3PAS(第三者配信)の
3つのメリットの1つが、

 

メディアを横断した効果測定
ができることです。

 

複数の広告媒体を横断して、
コンバージョン(CV)の貢献度を
正当に評価する分析手法を

 

アトリビューション分析と呼ぶ、
と昨日紹介させていただきました。

 

これまで、
インターネットの広告の歴史を
広告配信、取引、という側面から
辿ってきましたが、

 

広告の効果測定という側面に
触れることは、
ほとんどありませんでした。

 

しかし、広告主にとっては、
インターネット広告で
どれだけの効果を得ることができるのか、

 

配信技術の進歩よりも、
結果の方が気になるものです。

 

「3PAS(第三者配信)」の登場によって、
できるようになった
アトリビューション分析。

 

これがどうして評価されているのかを
知る過程で、

 

それまでの広告の効果測定についても
少し振り返ってみたいと思います。

 

アトリビューション分析は、
複数の広告媒体を横断して、
コンバージョン(CV)の貢献度を
正当に評価する分析手法でした。

 

そのため、
複数の媒体を利用した場合の
効果測定の話となります。

 

ディスプレイ広告2種を出稿し、
リスティング広告も利用している
広告主がいるとします。

 

ディスプレイ広告Aを見て訪問→離脱

 

その後、ディスプレイ広告Bを見て再訪問→離脱

 

さらに、リスティング広告よって訪問→CV

 

こういうユーザーがいた場合、
アドネットワークが登場する前であれば、

 

コンバージョン(CV)に至った
最後に接触した広告しか評価
できませんでした。

 

それが、アドネットワークが登場すると、
媒体ページに表示された広告を
その時は、クリックしなかったものの、

 

その後、別ルートから訪問し、
コンバージョン(CV)に至った
ビュースルーCVも計測できる
ようになりました。

 

クリックしていない広告の
表示回数まで把握されている
と思うと怖い気もしますが、

 

広告が表示されるタイミングで
アドネットワークのCookieが
セットされるようです。

 

何度も目にしているうちに、
覚えてしまい、気になり検索する
ということもあるかもしれません。

 

そのような場合、
インプレッション(広告の表示回数)
の間接効果によって、

 

コンバージョン(CV)に至った
ということになり、

 

それを数値化するのが、
ビュースルーCVだということです。

 

アドネットワークによって、
ビュースルーCVが計測できるように
なっても、

 

広告ごとの計測になってしまうため、
上記の例であれば、

 

リスティング広告、ディスプレイ広告
が重複して、CVカウントされて
しまうようなのです。

 

3PAS(第三者配信)では
広告配信のシステムがこれまでと
違うことから、

 

すべての広告を横断的に
一元管理でき、
重複しているCVまで可視化できるようです。

 

3PAS(第三者配信)の広告は、
素材を配信しているのではなく、
タグを配信しているそうです。

 

そのタグは3PAS内のクリエィティブを
呼び出すためのタグで、

 

広告が表示される際に、
クリエィティブを呼び出すことになるため、
情報を蓄積できるようです。

 

そのことによって、
CVに至る直近の施策以外の
間接効果も一元化のもと
可視化できるようになった。

 

アトリビューション分析は、
そんなCVに至った施策それぞれの
貢献度を分析することです。

 

3PAS(第三者配信)によって、
アトリビューション分析ができるよに
なったというのは
こういうことのようなのです。

 

1つのCVに複数の施策が関与している、
そのことを分析していこうという考え方は、

 

もともと、金融の世界にあったそうで、
アトリビューション分析そのものが、
金融の世界にあったものを
広告に適用したようなのです。

 

アドテクは、リーマンショックによって
失業した金融工学のプロが、
インターネット業界に流入して
発展した話は、以前にも書きました。

 

複数運用している、どの金融商品が
どのような構成要素からリターンを
もたらすのか、
それを考える概念だったようで、

 

そのため、広告の世界でも、
インターネットのオンライン上のみならず、

 

テレビCM、展示会などの
オフライン施策に含めて分析を
行うようになっていたようです。

 

オンライン上としても、
広告だけでなく、SNSやブログの活用
だって分析対象となるでしょう。

 

そんな施策を横断的に分析していく
考え方があるということが分かり、

 

アトリビューション分析を、
インターネット広告の歴史の中で、
取り上げるべきだと思いました。

 

調べてみると、オムニチャネル
という言葉もこの頃から
使われるようになったようです。

 

現在興味を持っている項目の
1つなので、オムニチャネルについては、
後日取り上げるつもりでいるのですが、

 

アトリビューション分析との
関連については、今の時点では不明です。

 

アトリビューション分析モデルや
それぞれのモデルの具体的な
内容については、

 

この
インターネット広告の歴史の中では
取り上げずに、別の機会とします。

 

重要なのは、
インターネット広告の仕組みを
理解しつつ、

 

3PAS(第三者配信)によって
複数の広告を一括管理していく
時代になってきたことと、

 

それを正当に評価するための
アトリビューション分析が
始まったということになります。

 

また続きを書かせていただきます。