2019.8.10 ヂヤンテイ君

麹町中学校、工藤勇一校長の教育改革から組織作りを学ぶ01

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

弊社も本日から夏季休暇に入りました。
今年は、本日から休みの企業が
多いのではないでしょうか?

 

しかしながら、お客様も、協力会社も、
「ウチはお盆休みがないのです」
と言っている方も多く、

 

日本でも休みの取り方が、
少し変わってきたのかなと
感じる今日このごろでした。

 

企業ブログは、休みに入ると、
アクセスが、がたっと落ちるので、

 

来週、連休後のアクセス状況を見れば、
お盆期間中でも休まない企業の状況を
感じることができるものと思えます。

 

これまでもそうですが、休みの日は、
できるだけ肩の力が抜けた
記事にしたいと考えています。

 

そのため直接、当社の業務とは
関連がない話であっても、
取り上げています。

 

本日は、3ヶ月前にこのブログで
紹介させてもらった

 

麹町中学校の工藤勇一校長の
インタビュー記事がありました。

 

ふたたび、あの
『学校の「当たり前」をやめた。』
の著者、工藤勇一校長の話に
耳を傾けたいと思います。

 

ちなみに、このブログの以前の
記事はこちらです。

 

「未来の教室」麹町中学校 工藤勇一校長の挑戦を知ってほしい!

 

工藤勇一校長のことをご存じでない方は、
先にこの記事を読んでいただくと、
概要を知ることができます。

 

このブログでは、たまに教育テーマを
扱っています。

 

当社のお客様、学校、教育関連が
多いこともありますが、

 

個人的にも、若い頃から、
日本の教育制度に対して、疑問があり、

 

おもしろ学校の名取先生の本や、
シュタイナー学校の本を
好んで読んでいました。

 

おもしろ学校の名取先生と言っても、
今では教育関係者であっても、
知らないかもしれませんが、

 

この麹町中学校の工藤勇一校長の
考え方に通じるものがあります。

 

本日、耳を傾けるインビュー記事は、
こちらです。

 

DAIAMOND online:子どもの「主体性」を育てるために、絶対にやってはいけないこと(2019.8.3)

 

「宿題廃止」「定期テスト廃止」など、
『学校の「当たり前」をやめた。』
ことの、具体的な経緯が紹介され、

 

校長として、周りをどのように
説得してきたのか、

 

校長を経営者に置きかえてみれば、
耳が痛いが、気づきのある話が多く、
ついつい紹介したくなってしまうのです。

 

宿題も定期テストも廃止することが
目的ではなく、

 

本来やるべきことをやるために、
負担や無駄になっていることを
見直したということです。

 

学習とは本来、「わからないこと」が
「わかる」ようになることなのに、

 

宿題や定期テストが、その目的を果たす
ために機能しているのかと、
ずっと疑問があったようで、

 

時間をかけて、職員や保護者を説得し、
改革していったそうです。

 

これは以前にも紹介したことですが、
定期テストを廃止したと言っても、

 

1つの単元の学習が終わり次第、
単元テストを行っています。

 

それも、自分が「わからないこと」が
「わかる」ようになることが
目的なので、再チャレンジができます。

 

そのため、最初は60点だった生徒が、
最終的に100点だったということも
あるのでしょう。

 

それで良いのだと思います。

 

「わからないこと」が「わかる」ように
なるために、生徒自らが、
アクションを起こすことが大事だと
いうことです。

 

アクティブ・ラーニングですね。

 

定期テストのために、一夜漬けの
勉強をした経験がある方も多いと
思いますが、

 

一夜漬けの勉強は、テストの点を取る
ことが目的なので、テストが終われば
忘れてしまいます。

 

それでは、何のために勉強しているのか
分からなくなります。

 

本質を見据え、本来やるべきことを
やることが、

 

「定期テスト廃止」「宿題廃止」
などの改革につながりました。

 

以前の記事では紹介しましたが、
「担任制廃止」「校則廃止」まで
麹町中学では実践しています。

 

ここまで聞くと、
会社の「当たり前」をやめる必要が
あるのではないかと思ってしまいます。

 

会社組織の無駄な慣習の話は
よくあります。

 

しかし、今となっては成果がでて、
評価につながっている麹町中学も、

 

一朝一夕に改革ができた訳では
ありません。

 

それでは、工藤勇一校長はどのように
推進してきたのでしょうか。

 

よりよい企業にするために、是非とも
知っておきたいところです。

 

この疑問に1つの答えがありました。

 

最初から僕が、「こういう学校にしよう」という絵を描いて、それに近づけるためにやってきたわけではありません。よりよい学校にしたいと思って関係者と対話を繰り返した結果、今があるという感じです。

 

トップダウンではなく、
関係者と対話を繰り返した
ということなのですが、

 

単に、対話を繰り返せば良い訳では
ないことが、ここからのインビューで
延々と説明されています。

 

まずは、現実を否定しないこと。

 

ペーパー・テストが意味がないと
考えても、生徒たちの将来には
現行の入試制度があります。

 

「定期テスト廃止」「宿題廃止」も
現行の入試制度に適応することを
前提としているからこそ、

 

周囲の理解を得ることができると
言います。

 

理想に走らず、現実を否定しないこと
ですね。

 

そして、関係者一人ひとりに
「当事者意識」を持ってもらうように
したようです。

 

選挙の投票率を上げるためには、
意思決定に関わる機会を確保すること。

 

すなわち、当事者意識を育てることが
重要になると、
先日、このブログで書いたのですが、

 

教育改革は、民主主義の実践でも
あることが分かります。

 

関係者一人ひとりの関係者とは、
学校でいえば、生徒であり、
保護者であり、教員です。

 

工藤勇一校長も仰っていますが、
企業ではステークホルダー。

 

みんなが不満だけ言って、批判ばかり
していても何も始まらない。
「当事者意識」が欠けている状態。

 

その状態を、経営者(校長)が変えて
いくには、2つのことを心がければ
良いとあります。

 

まず、創意工夫する権限をみんなに
与えること。

 

しかし、単に権限と責任を与えた
だけでは、だいたい失敗する。

 

それは、自分の経験則とか成功体験を
ベースに何かを決めてしまうため、
バラバラの動きになるだけ。

 

個人に権限と責任の両方を与える
ということは難しいことで、

 

本来の目的と離れて逆効果に
なっていく恐れあると指摘しています。

 

本日のまとめとなりますが、
教育現場が本来やるべきことを考え
実践していく上で、

 

教職員や保護者に理解してもらう
必要があります。

 

そのために対話を繰り返すことに
なりますが、

 

現実を否定しないことと、
関係者に、当事者意識を持って
もらうことを実践してきたようです。

 

当事者意識を持ってもらうには
心がけるべき2つのことがある。

 

1つは、個人に権限と責任を与えること。

 

しかし、それだけだと失敗する
ことになるので、もう1つ
心がけることがあります。

 

それがこれ。

 

トップが、関係者みんなが納得できる「上位目標」を定める必要があるのです。

 

この定めるべき、「上位目標」について、
続編の記事がありますので、

 

次回は、「上位目標」について
学びたいと思います。

 

企業経営者、管理職の方なら、
自らの組織を想像しながら
学ぶことが多いと思います。