2019.4.19 ヂヤンテイ君

印刷業界で、紙の供給不足が続いています

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

このところ、お客様へ
印刷用紙が不足ぎみであることを
お伝えする機会が増えました。

 

紙不足が深刻な状況になってきたのです。

 

今年に入って、
印刷用紙の話題が多かったのですが、

 

まずは値上がりの情報でした。

 

値上げに関しては昨年末から
情報があったのですが、

 

当社と取引している紙会社からの
情報は今年に入ってからで、

 

実際に、2月に入って値上がりをしました。

 

印刷の協力会者は、今年から値上げした
会社もありました。

 

仕入れ値が上がってしまうため、
印刷用紙値上がりの話を
お客様にも伝え、

 

売値に反映させてもらう
ことにしたのですが、

 

継続でいただいている仕事で、
料金が固定となっている仕事に関しては、

 

今のところ、
まだ売値は据え置きにしています。

 

しかし、今回は値上げ幅が大きかった
ことから、

 

今後は、価格表も見直しさせていただく
しかないと考えています。

 

印刷通販グラフィックも、
2月3日(日)から価格改定をしています。

 

調べてみると、昨年の11月3日(土)から
価格改定をするという予告があり、

 

それが延期されて、2月3日(日)に
なったようです。

 

王子製紙のサイトを見ると、
11月1日付で、
印刷・情報用紙の価格修正について
というニュースリリースがあります。

 

価格修正といっても、値上げのことです。

 

理由として、
「原燃料価格ならびに物流経費が上昇」
とありますが、

 

過去に何度も同じ理由で、値上がりして
います。

 

逆に、値下げもありました。

 

11月のこの情報と、印刷用紙の値上げと
関係がない訳はないですね。

 

当社も王子製紙の紙を使っていますが、
王子製紙から直接購入している訳では
ありません。

 

印刷用紙は、基本的に販売を仲介する
紙問屋(商社)から
購入することになります。

 

その紙問屋も、一次問屋、二次問屋、三次問屋
があると言います。

 

その前に販売元があるのかもしれませんが、
印刷用紙の流通経路について、
明確な情報がないのです。

 

当社のような小さな会社は、二次問屋や
三次問屋から印刷用紙を買うことになります。

 

印刷用紙の流通経路の中では、
末端に位置しているため、

 

値上げの影響がやってくるのが、
比較的遅くなります。

 

紙問屋があちこちにある、
紙の在庫を確保し、
値上げを遅くしてくれるからです。

 

紙の価格改定は、ここ数年増えてきた
ように思いますが、
過去にも何度かあったことです。

 

3月になって、今度は、
紙不足の情報が入ってきました。

 

印刷通販でも、受注制限が始まり、
代替品に変更されるような情報が
入ってきました。

 

この時は、まだ3月だからと
勝手に納得していました。

 

年度末の3月は、印刷物の需要が大きくなり、
印刷工場、製本工場がフル稼働する時期です。

 

以前、このブログでも、
こんな記事を書かせてもらいました。

 

3月は印刷工場が混雑します。冊子印刷は早めにインフォメーションを!

 

さすが3月だあ。
紙の供給も追いつかないのだろうな
と考えていました。

 

ところが、3月23日の日経新聞に
こんな記事。

 

日経新聞:紙が足りない 生産減で印刷会社悲鳴 (2019.3.23)

 

オイルショック以来の混乱
というような表現もあり、

 

これは、ただごとではないなと
この辺から認識するようになりました。

 

もともと、印刷用紙の需要低迷から、
生産制限していたようです。

 

そこに、昨年の西日本豪雨や
北海道地震で製紙工場が一時休止した、

 

さらに、その後も工場火災などの
トラブルが相次ぎ、生産が落ち込んだと
あります。

 

これで、やっと理由が分かってきたのですが、
まだ4月になったら、落ち着くだろうと
考えていました。

 

しかし、当社からすると、
今月、4月に入ってから、本格的に紙不足を
認識することになります。

 

取り引きしている紙問屋会社も、
それまでは、発注したものをしっかりと
納品してくれており、

 

紙が不足している情報も、
あえてなのか、してくることは
ありませんでした。

 

それが今月になって、マットコートが
ないという話がきました。

 

当社が使っている王子製紙のものが
ないので、銘柄を変えてほしいとの
ことでした。

 

王子製紙のサイトを見ると、
4 月 7 日(日)に、春日井工場で
火災が発生したとあります。

 

この影響もあるのではないかと
予想できます。

 

今週も、2月に印刷したばかりのものが
増刷となり、手配をしたところ、

 

紙のメニューから2月にあった紙が
なくなっていました。

 

増刷なので、紙を変えることができず、
何とか交渉し、紙を確保してもらいました。

 

25年ほど、印刷の仕事をしていますが、
これほど、紙が無いという状況は
初めての経験です。

 

東日本大震災の時でさえ、
一時的なものだったので。

 

今週の月曜日は港湾ストの影響で、
月曜日指定の紙を搬入してもらう
ことができない。

 

そんなことまで起こりました。

 

当社の場合、ここまでは、
仕事を御断りするよう状況には
なっていないのですが、

 

マットコートが不足しているのは
現実のようで、

 

この状況がいつまで続くのか、
誰も正確な情報を持っていない
というのが不安なところです。

 

夏までには、正常に戻るのではないか
という話を、本日、ある印刷通販の
方から聞きはしたのですが。

 

米中貿易摩擦が影響している
という話もありました。

 

貿易摩擦によって、日本の段ボールの
需要が増え、製紙会社が段ボールに
シフトしているというような話です。

 

人手不足で、紙不足で、
やたらと不安定な状況であるなと
感じています。

 

何かの兆候にならないことを
祈るばかりです。

 

「紙がない」
という状況を少しでも正確に
知っていただくために、

 

本日は、あえてこの話にしてみました。

 

東日本大震災の時も、何とか乗り越える
ことができました。

 

今回もそうなってほしいと思っています。