2019.4.3 ozawa

セオドア・レビットの「マーケティング近視眼」によるメッセージ

 

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

昨日、マーケティング1.0の期間、
すなわち1960年代までに登場した、
マーケティング・フレームワークを
紹介したのですが、

 

実は、1つだけ、
今まで活用したことがないだけではなく、
聞いたことがなかったものがありました。

 

それは、
マーケティング・マイオピアです。

 

1960年、セオドア・レビットによって
発表された論文が「マーケティング近視眼
(Marketing Myopia)です。

 

60年ほど前に発表された分析ながら、
今でも重要な話なのではないと
昨日感じ、とても気になったため、

 

もう少し調べてみることにしました。

 

そもそも、このセオドア・レビットは、
フィリップ・コトラーに並ぶ、
マーケティング理論の重鎮のようなのです。

 

ドリルを買う人が欲しいのは「穴」である
マーケティングの世界で有名なこの格言。

 

これもセオドア・レビットによるものでした。

 

私は、この格言を、
本質を見抜くことの重要さ
として把握しています。

 

「マーケティング近視眼」においても、
これに通じる話を、1960年に語っていた
ということになるようです。

 

第2次世界大戦以後、
物資不足のなか、企業は製品中心の
考え方になっていた。

 

しかし、石油産業や鉄道事業など、
世界を牽引する産業に大きな変化が
生じていたそうです。

 

「衰退」などありえないと
信じられてきた産業の成長が鈍る兆候を
見抜いたセオドア・レビットは、

 

その変化をマーケティングの立場で
考えたそうです。

 

そして発表されたのが、
「マーケティング近視眼」。

 

「マーケティング近視眼」とは、
目前のことばかりにとらわれると、

 

自社が本来やるべきこと、
社会的な役割を狭く定義してしまう
という指摘。

 

このような近視眼的な
マーケティングを展開する企業は、

 

事業機会を見逃し、衰退してしまう
というのです。

 

その代表例として、アメリカの
「鉄道産業」を取り上げています。

 

このマーケティングの歴史を振り返る
記事でも、20世紀初頭に鉄道が
アメリカ全土に発達し、

 

生産能力の向上とあいまって、
マーケティングの概念を誕生させた
と書かせてもらいました。

 

その当時からしばらく、
鉄道が花形産業であったことは、
容易に想像できます。

 

しかし、先ほども触れたように、
第2次世界大戦以後に
衰退産業へと変化しっていたそうです。

 

当時、旅客と輸送の需要は
依然として増え続けていたにも
かかわらずです。

 

そのことに対し、セオドア・レビットは、
米国の鉄道会社が、自社の事業を
「鉄道」としてしまったことに原因が
あると指摘しています。

 

鉄道網を作って、列車を走らせることが
仕事ではなく、「輸送」することが
鉄道の仕事であると定義できず、

 

潜在的なお客様を、自動車、航空機などに
渡してしまった。

 

これはすなわち、潜在的な自社の需要を
取り逃したということになります。

 

ちょうど今、トヨタが、自動車製造業から、
モビリティ・カンパニーに変ろうしている
ことにも通じる話だと思います。

 

セオドア・レビットは、もう1つの例として、
ハリウッドの映画産業についても
指摘しています。

 

ハリウッドの映画産業って、衰退した
時期があったの?と思いましたが、

 

テレビが出現した時に、対応を間違え、
破滅に近い状態にまでなったことが
あるそうです。

 

日本の映画産業もそうでしたね。

 

そのテレビも、今となっては、
インターネット広告費で、
インターネットに抜かれるような
時代となっています。

 

永遠に成長し続ける市場というのは
かななかない、ということです。

 

だからこそ、
事業を製品やサービスではなく、
顧客中心という視点で考える。

 

セオドア・レビットが確立した
マーケティングの本質がこれです。

 

現在こそ、上質な顧客体験(CX)
に注目が集まっていますね。

 

1960年から、セオドア・レビットに
よって、指摘されていたことだった
ということです。

 

マーケティングと販売の違いは、
販売が、売り手側のニーズに
重心を置いているのに対し、

 

マーケティングは、買い手側の
ニーズと最終満足に重心を置いていると、
セオドア・レビットは言います。

 

さらに、こうしたマーケティングの
考え方を、事業展開と経営全般に
貫徹することがマーケティングである
とも言っています。

 

現在のオムニチャネルの活動が
まさにこれですね。

 

マーケティングは経営そのものだ
という考え方。

 

フィリップ・コトラーは、
セオドア・レビットに対し、
こな評価をしているそうです。

 

「販売戦略の1分野と見なされていたマーケティングを、経営の中枢へと押し上げた最初の功労者の1人」

 

60年も前に、現在に至ってとても重要な
考え方が出来上がっていた。

 

考え方はあっても、マーケティングは、
現実の場で、じっくりと煮込む必要が
やはりあるのでしょう。

 

「成長産業といったものは存在しない」
とも、セオドア・レビットは言っています。

 

少し業績が伸びたからと、満足していたら、
必ず停滞へと落ち込むと、警告している
ようなのです。

 

満足したら、顧客中心の考え方が
曇ってしまうから。

 

成長している時は、生産性とか拡張性に
目が行きがちですね。

 

製品やサービスばかり考えるのではなく、
お客様が満足することを考える。

 

自社と取引したいという思ってもらえる
活動こそが、マーケティングなのだ。

 

かといって、お客様のニーズを
調査して、知ることだけでは、
顧客満足につながらないことは確かです。

 

マーケティング・マイオピア
「マーケティング近視眼」
から学ぶことは多いようです。

 

マーケティングの基本中の基本を
古典から紐解きましょう!