2019.7.31 たけうち

竹ちゃんの印刷現場日記!Vol.4断裁不良の原因対策

引用:https://www.heidelberg.com/jp/ja/products/postpress/cutting/cutters/polar_78.jsp

 

 

こんにちは。ヂヤンテイの竹内です。

 

前回のブログで、名刺の断裁の仕方をご紹介させていただきました。

 

今回は菊四(317mmx468mm)サイズからA4(210mmx297mm)に断裁した際、断裁不良を起こしてしまったので、その時の説明をしたいと思います。

 

 

断裁不良の状況

基本的に弊社では名刺の断裁がメインなのですが、まれにA4サイズの断裁・梱包をしたりもします。

 

今回起きた断裁不良は、積紙の下の方が上の方に比べてサイズが小さくなってしまったという現象。

 

すなわち、A4サイズに断裁しているにもかかわらず、A4サイズでない印刷物ができ上ってしまったということです。

 

断裁機の刃は真っすぐ下におりるのに、なぜこのような現象が起きてしまうのか全く分かりませんでした。

 

 

断裁不良の原因

そのため断裁機のメーカーであるハイデルベルク社に確認しました。

 

すると、「クランプ圧が弱いので強くしてみてください。」といわれました。

 

クランプとは断裁機の刃がおりる前に断裁する物をおさえる物なのですが、クランプ圧が弱いと、ぶれてしまうことがあるみたいなのです。

 

さっそくクランプ圧を強くしたところ、確かに問題なく断裁ができました。

 

ではどうして、私がクランプ圧を弱くしていたかといいますと、断裁する紙や絵柄によって裏移りしてしまう可能性があったからです。

 

今回、断裁した紙は上質紙という紙で、比較的、乾きづらい紙でした。そのため、裏移りを恐れ、クランプ圧を最小にしてしまった。

 

これが断裁不良の要因でした。

 

※裏移りとは絵柄が紙の裏に付いてしまうことです。こちらの記事で少し触れていますので確認してみてください。

 

 

断裁不良の対策トラブル例

今回の対策としては、印刷物がちゃんと乾いているか確認をし、クランプ圧を正常に戻すということです。

 

その他、いくつか断裁トラブルの原因と対策をご紹介したいと思います。

 

◇断裁トラブル

 

1 オーバーカット

積紙の上が短くカットされる。

 

 

 

①ナイフが鈍くなっている
②クランプ圧が高すぎる
③ナイフに凹凸がある

 

【対策】
①ナイフの研磨
②減圧
③やすりなどで凹凸をとり、ナイフが固定されている所を綺麗にする。

 

 

2 アンダーカット

 

積紙の下が短くカットされる。

 

 

【原因】
①ナイフが鈍くなっている
②クランプ圧が低すぎる
③ナイフの角度が鋭すぎる

 

【対策】
①ナイフの研磨
②増圧
③ナイフの角度を鈍くする

 

 

3 ホローカット

 

積紙の真ん中が短くカットされる。

 

 

【原因】
①クランプ圧が低すぎる
②ナイフ固定の誤り

 

【対策】
①増圧
②ナイフをきちんと付ける

 

 

最後に

私は印刷オペレーターで断裁は切るだけと思っていたのですが、実はとても奥が深く、今回の件で良い勉強をさせてもらいました。

 

正しく断裁できなかったため、印刷からやり直しになってしまい、納期がある仕事だったため助かりましたが、営業担当者にも迷惑をかけてしまいました。

 

印刷は最後の断裁で失敗すると、全てやり直しになるからこそ、最終工程である製本・加工はとても重要な工程です。

 

皆さんも同じ様なエラーが出た時は、クランプ圧やナイフ関係を調べてみてはいかがでしょうか。