2019.5.8 ヂヤンテイ君

マーケティングの歴史を辿ってみました【17】社会的責任マーケティング

 

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

本日は、久しぶりに、
マーケティングの歴史の続きとなります。

 

マーケティング3.0の中でも
2000年代に登場したマーケティングの
概念を取り上げます。

 

本日は「社会的責任マーケティング」です。

 

フィリップ・コトラーと、
ソーシャル・マーケティング・サービス社の社長、
ナンシー・リーによる

 

社会的責任のマーケティング」という本が
日本では2007年8月に発行されていますが、

 

この本によって、
「社会的責任マーケティング」の概念が
注目を浴びたのだと想像できます。

 

この本のサブタイトルにあるように、

 

「事業の成功」と「CSR」を両立する

 

すなわち、「CSR」を単なる企業の
社会的貢献とするのではなく、

 

同時に事業の成功にも結び付けていこう
というのが、

 

「社会的責任マーケティング」に
なるのだと思います。

 

当時、「CSR」の考え方に感激し、
印刷業界ができる「CSR」について考え、

 

エコ印刷のことを勉強し、
エコ印刷プランナーの資格を取得したり
しました。

 

CSRは、Corporate Social Responsibility
の略で、「企業の社会的責任」という
意味となります。

 

大手企業のコーポレートサイトには、
必ずといっていいほど、
「CSR」のページが用意されています。

 

それもこの時代から増えてきたのでは
ないでしょうか?

 

企業は利益を追求するだけではなく、
社会に貢献する責任があるのだと
いうのが、

 

かなり大雑把ながら「CSR」の
意味となります。

 

当時、企業のCSR活動をサポートする
事業を展開する方たちと話す機会が
あったのですが、

 

企業のイメージアップにつなげる
活動だと、当時は考えていました。

 

企業のCSR活動に賛同する方に
顧客になってもらうという
考え方です。

 

先ほどの本の存在は知らなかったので、
調べてみると、

 

社会的責任マーケティングは、
もっと深い考え方だったようです。

 

先ほどの本によると、
社会的責任マーケティングは、

 

「企業が社会的コーズ(大義、主張)を明らかにし、それを実現するために社会的な取り組みを行うこと」

 

とあります。

 

社会的な取り組みは、
主要なものが6つあると言います。

 

1.コーズ・プロモーション:社会的なコーズ(主張)に対して意識と関心を高めること

2.コーズ・リレーテッド・マーケティング:製品の売上げを通してされる社会貢献

3.ソーシャル・マーケティング:行動改革キャンペーンの支援

4.コーポレート・フィランソロピー:コーズに対する直接的な寄付活動

5.地域ボランティア:従業員は自らの時間と能力を提供している

6.社会的責任に基づく事業の実践:コーズを支援するための自主的な事業活動と投資

 

これを読むと、なるほどと思います。

 

購入が寄付につながる商品や
企画がいくつもありました。

 

ボルヴィックの
「1L for 10L」プログラムも
ありました。

 

社会的コーズ(大義、主張)から、
コーズマーケティング」とも
呼ばれていました。

 

Twitter社の社員は、
社会貢献活動として、具体的に何かをしなければ
ならないという話を聞いたことがあります。

 

CSRこそ差別化につながり、
企業を成長させるというコトラーの
考え方はさすがです。

 

企業による社会貢献活動が、
慈善事業となってしまっては、
継続性がなくなります。

 

持続可能な社会にするためには、
企業自らの永続性がなくてはならない。

 

企業も企業市民として、
社会環境の中の一環であるという
視点がなければならない
ということです。

 

社会的コーズ(大義、主張)を明らかに
するというのは、

 

スタートアップ企業の間では、
既に定着した考え方になっている
ように思います。

 

それを企業の成長につなげるが、
「社会的責任マーケティング」。

 

CSRの勉強はしたことがあるのですが、
「社会的責任マーケティング」は、

 

今後とも、とても重要な考え方だと
この記事を書きながらも感じました。

 

企業の持つ、美意識とか、道徳観は、
データで作り上げるのではないので、

 

「社会的責任マーケティング」は、
将来、注目の概念になるかもしれないと
思います。

 

違う呼び名で、新たな考え方が
追加されたものになるかもしれませんが。

 

次回も、マーケティング3.0の時代に
登場した、マーケティング概念を
見ていきたいと思います。