2019.2.15 ヂヤンテイ君

印刷業務における、BPOとフルフィルメントと顧客体験(CX)について

 

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

昨日は、ユナイテッドアローズが、
ZOZOに委託していた

 

フルフィルメント関連業務や
EC構築支援などのBtoB事業から
撤退したニュースに触れました。

 

ユナイテッドアローズから見えた、アパレル企業オムニチャネル化の動き

 

本日は、その「フルフィルメント」
にこだわってみたいと思います。

 

とはいえ、当社の課題として、
印刷物における
フルフィルメントサービスについてです。

 

昨年、ZOZOの事業について調べた時に、
初めてフルフィルメント業務の
何たるかを知りました。

 

当社の仕事は受注生産なので、
基本的に、在庫管理の業務が伴わず、
馴染みのない言葉でした。

 

しかし、印刷物ということであれば、
一部のお客様の印刷物を社内で保管し、

 

お客様の必要に応じて、必要部数を
配送するようなことはやっています。

 

また、数週間前に、冊子を20種類ほど
制作するお話をいただいたお客様から、

 

製本した冊子を全て納品せず、
一部預かってもらうことはできないかと
相談を受けました。

 

印刷物は場所を取るため、
全て納品されても困るというは話は
珍しいことではありません。

 

それでも、気軽に、出来上がった
印刷物を預かりますとは言えず、

 

印刷物の保管の話はできるだけ
避けたい気持ちが、これまでにあったのが
正直なところです。

 

当社の建物にもキャパがあり、
仮に、契約した倉庫で預かるにしても、

 

半年、1年と預かっていることに対し、
仕事がいつまでも完結しないような
イメージもあったからです。

 

また、単に一時的に預かり、
時期がきたら、預かっていたものを
納品する。

 

そんなケースであれば良いのですが、

 

先ほどの20種類ほどの冊子制作の場合、
預かった後に、必要に応じて、

 

必要な種類の冊子を、
必要な数だけ納品して
ほしいというご希望でした。

 

いわゆるピッキング業務を
伴うことになり、

 

倉庫を借りるだけでは
済まない仕事となります。

 

ちょうどその時、
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
という言葉を知り、

 

印刷物の制作から、管理、発送まで
委託されることについて、

 

以前とは、正反対の捉え方をするように
なりました。

 

当社が預かることが出来なければ、
お客様は、印刷物を預け、管理してくれる
先を探さなければならず、

 

印刷依頼先が一連の業務として
請け負ってくれた方が、
お客様からすれば楽です。

 

また、長期間、制作した印刷物が
最後まで納品できないということは、

 

継続的なお客様とのお付き合いとなる、
そう考えれば良いと思いました。

 

そのお客様は、20年以上のお付き合いの
あるお客様ですが、

 

お付き合いが始まったばかりの
お客様であれば、保管業務まで
請け負うことで、

 

新たな受注につながり、
取引が継続されることなる。

 

そう考えることで、これまでの考え方を
否定することにしました。

 

そのため、確認しておきたかったのが、
フルフィルメント業務です。

 

フルフィルメント業務は、
ECサイトなどで、

 

お客様から注文を受け、
お客様の手元に商品が届くまでに
発生する業務全体のことです。

 

受注・問い合わせ対応

発注・仕入れ

商品の在庫管理

商品の出荷

代金の回収

 

この一連の流れの中で発生する
業務をすべて請け負ってくれる
ことになります。

 

この中には、返品処理やら、
クレーム対応、コールセンター
業務まで含まれ、

 

商品を企画し、ECサイトを立ち上げ、
宣伝ができれば、

 

受注・問い合わせ対応以降の業務を
フルフィルメントサービスに委託
することができるシステムが
確立されています。

 

当社も自社工場があるため、
印刷物の梱包や発送などの業務が
あるのですが、結構大変です。

 

発送先が多かったり、
印刷物の数が多い場合は、

 

印刷物発送専門の協力会社に
発送してもらいます。

 

当然費用はかかりますが、
発送業務で、時間を奪われることを
考えると、

 

委託してしまった方が
コスト的にも合うのです。

 

昨日のユナイテッドアローズの
ケースからすると、

 

フルフィルメントサービスをZOZOに
委託することによって、

 

お客様からの問い合わせや
クレームといった
お客様との接点がなくなるため、

 

オムニチャネル化という意味で、
自主運営に切り替えたことになり、

 

フルフィルメントサービスにも
デメリットがあることになります。

 

一般印刷物の場合は、受注生産なので、
受注・問い合わせを委託する
ことは、まずできないでしょう。

 

そのため、フルフィルメントサービスを
利用するということは無い
ことになります。

 

しかし、大きな印刷会社が、
商品の在庫管理と、
商品の出荷まで請け負うことが
できれば、

 

フルフィルメントサービスが
自社サービスとなります。

 

調べてみると案の定、
物流センターを所有している
印刷会社があり、

 

BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)
という側面からすれば、
とても強力なサービスになると思いました。

 

印刷物として、フルフィルメントサービスが
力を発揮するのは、

 

パンフレット、チラシなどの販促品、
伝票などの帳票類もありますね。

 

当社でも扱うことの多い
教材などの印刷物もあてはまります。

 

募集要項などの学校の募集ツールも
年間通して発送していくものです。

 

保管の必要はないのかもしれませんが、
DM(ダイレクトメール)も、

 

今日のバリアブル印刷とセットで
発送まで請け負うことができたら、
お客様に利便性をもたらします。

 

販促品やDM(ダイレクトメール)で
あれば、

 

ブランディングやマーケティング戦略を担う
クリエイティブワークから

 

一貫して請け負うことができたら、
もっと良いでしょう。

 

オムニチャネルという考え方を
知ってからは、

 

顧客体験(CX)という視点で
業務を考えるようになりました。

 

以前から、DM(ダイレクトメール)の
クリエイティブだけでなく、

 

その後の発送まで一貫して依頼される
ことがあり、当社でも請け負って
いたのですが、

 

ここ数年、そのケースが増えてきたと
実感しています。

 

当社の場合、発送業務は協力会社が
請け負うことになります。

 

そのことを、お客様は知った上で、
発送まで依頼されるのです。

 

お客様からすると、制作、印刷、発送
を分けて手配するより、
1社に依頼して済むなら、その方が楽ですね。

 

自社で完結しなくとも、
お客様からすれば、

 

フルフィルメントサービスを通して
商品が届くように、

 

高い品質で業務が遂行されることを
優先するようになったのだと思います。

 

となれば、我々は疑似的な
フルフィルメントサービスだとしても、
顧客体験(CX)を意識することが、

 

これからの業務の進め方なのでは
ないかと思うようになりました。

 

印刷業務も、
BPOとフルフィルメントと顧客体験(CX)
これを意識したいと思います。

 

その第一歩が、当社からすれば、
印刷物の預かり業務となります。

 

顧客体験(CX)を意識した
サービスが広がることで、

 

我々ももっと
快適な生活ができるはずです!