2019.7.15 ヂヤンテイ君

民主主義の基本となる主権者教育に哲学対話を

 

 

印刷・WEB・ITで、
お客様の「伝えたい」をデザインする会社、
ヂヤンテイシステムサービスの小澤です。

 

前回2017年の衆議院選挙の投票率は
53.68%。

 

10代の投票率は40.49%
20代の投票率は33.85%

 

2018年のスウェーデン総選挙の
投票率は、87.18%

 

日本の投票率の低さに対し、
スウェーデンの投票率の高さが
よく引き合いにだされています。

 

スウェーデンの投票率の高さの理由から
多くを学ぶことができそうですが、
それはまた別の機会とし、

 

日本の若年層の投票率向上にも
つながる主権者教育についてです。

 

選挙権年齢が満18歳以上に引き下げられた
前年の2015年、

 

文部科学省が
「主権者教育の推進に関する検討チーム」
を設置したことで、

 

主権者教育が注目されるようになりました。

 

主権者教育とは、簡単に言えば、
主権者としての意識を高める教育であり、

 

主権者としての意識を持った行動が
できるようにするための教育です。

 

いわば、民主主義の根本的な考え方を
理解する教育であり、

 

教育の中でも最も基本となるものでは
ないかと私は思いました。

 

これまで紹介したような、選挙を
啓蒙することとは異なりますが、

 

文部科学省のこの活動を起点に、
昨日紹介した総務省による副教材や、
選挙出前授業・模擬選挙が始まっています。

 

一昨日紹介した大学に期日前投票所を
設置することも、

 

文部科学省の「主権者教育の推進
ページの中の資料に記されています。

 

資料を読むとおもしろいのですが、
幼稚園における主権者教育の
指導方法まで検討されています。

 

もちろん、小学校・中学校、高等学校、
専修学校、大学の生徒、学生に対する
取り組みから、

 

家庭、地域、地方公共団体の
取り組みまで案が示されています。

 

2016年の資料なので、教育機関では
すでに、主権者教育の取り組みが
始まっているものと想像できます。

 

長らく主権者教育の普及に携わって
こられた方の資料を読むと、

 

日本では政治を扱う授業は敬遠される
傾向にあったとのこと。

 

「教育の政治的中立」という根本的な
考え方もあるでしょう。

 

また、選挙がある時に、
若者の政治参加が話題になっても、

 

日常的に関心の高いテーマとならない
という評価だったようです。

 

このブログも参議院選挙を控えて、
選挙をテーマにしていますが、

 

選挙の啓蒙と違い、主権者教育は、
民主主義国家に生きる国民の
永遠のテーマだと思います。

 

東京都が民主主義学習用リーフレット
をつくっています。

 

民主主義学習用リーフレット「民主主義って何だろう?」

 

どうして民主主義が採用されたのか、
その歴史を分かりやすくまとめた
資料になっています。

 

学校の教材にもなりますし、
社会人もあらためて読んでみた方が
良いのでないかと思いました。

 

さきほど、教育機関ではすでに、
主権者教育の取り組みが始まっている
だろうと期待をこめて書きました。

 

独自の主権者教育を実施している
教育機関の資料があったからですが、

 

模擬選挙など選挙制度を教えるのとは
違い、簡単ではないことも想像できます。

 

学生運動の教訓からか、日本では
政治的なことを教育現場で話し合う
土壌が育まれにくい。

 

こういう時こそ、哲学対話では
ないでしょうか?

 

以前、このブログで哲学対話を
取り上げたことがあります。

 

考えることは、自由になること。「哲学対話」が問いかけるもの

 

哲学対話のルールを振り返ります。

 

1.何を言ってもいい
2.人を否定したり茶化したりしない
3.発言せず、ただ聞いているだけでもいい
4.お互いに問いかけることが大切
5.知識ではなく、自分の経験に即して話す
6.話がまとまらなくても、意見が変わってもいい
7.分からなくなってもいい

 

先生は、ファシリティターとして、
「なぜ?」「どうして?」と問いかけるだけ。

 

答えをだすことではなく、
考えることが目的です。

 

主権者教育となると、知識や教養を
身につけてもらうことと考えがちですが、

 

知るだけはなく、考えや意見を持つこと、
伝えること、そして決めること。

 

そんな主体性を持ってもらうことだと
思います。

 

ある意味では人間教育であり、
哲学対話で進学率がアップした
高等学校があったように。

 

人間力の形成という意味で、
主権者教育✖️哲学対話という

 

組み合わせが、
的確なのではないかと思います。

 

本来的な意味で、日本の民主主義が
根付けば、国民の半数ほどしか
投票に行かない国から卒業できます。

 

主権者教育は、民主主義国家に
生きる国民の土台であり、
礎(いしずえ)だと思います。

 

よりよい社会にしていくための
大前提として、主権者教育が
根付くことを願ってやみません。

 

いかがでしょうか?