1990年代に印刷業界には大きなうねりがありました。それはデジタル化の波です。デザイナーが版下作成して製版会社に依頼して印刷用のフィルムを作り、印刷会社が印刷をする。この確固とした印刷のワークフローが崩壊し、製版会社も印刷会社も変化を迫られました。そしてそれは、ワークフローの上流にいるデザイナーにも同じことが言えました。DTPが普及して、それまでに身につけていた技術の一部は必要なくなるばかりか、デジタル対応を余儀なくなされ、手に職を持っていた特権的な地位が脅かされました。更に制作のデジタル化は進歩のスピードが速く、デジタル化できたとしてもそのデジタル技術の進化に追いついていくのも大変な時代がありました。



手に職があり、知力と感性が備わっていなければできなかった仕事が、デジタルを手段にすることによって、印刷物の制作者は広範に渡るようになり、制作費の値崩れがおこりました。パソコンが普及し、WEBによるコミュニケーションが可能となったにもかかわらず、印刷物の需要は増し、DTP・印刷を本業としていない方までが印刷物の制作者となり得る時代になりました。デジタルデータを渡せば印刷ができるからです。その分クオリティーの低い印刷物が世に出回ることも増え、それが過渡期を迎えようとしているのが現在かもしれません。やはり実力のあるクリエイターの力が必要なのです。



どんなに技術が進歩しても、クリエティブワークは人間にしかできません。デジタルは手段であり、仕事を効率化して人件費の固まりのような印刷物が低コストになっていくのは良いことだと思います。クリエイターズ掲示板にクリエイターの仕事場環境に関する情報を載せているのもそのためです。WEBも手段であり、クリエイターの紹介といっても、最終的には面と向かってうち合わせをして制作という仕事は成立するものだと考えております。クリエイターと仕事を依頼する企業それぞれに、地域の選択ができるようにしたのはそのためです。このサイトはあくまでも出会いのきっかけの場でしかありません。



このサイトを主催する我々自体がこのサイトを必要としており、必要な情報を双方の立場から理解しているからこそ、「クリエイターズ掲示板」「お仕事掲示板」それぞれ具体的であり、永らく応援いただいている理由だと自負しております。DTP及びWEB関連の制作物の進行過程で必要となるクリエイターに限定し、自分たちが分かる範囲の中で、サイト運営をしていこうと考えております。営業活動が苦手なだけで、素晴らしい仕事ができるベテランクリエイターがまだまだ埋もれています。若いクリエイターがベテランクリエイターになるために仕事がもっともっと必要です。そして、未来のクリエイターがこのサイトを通して誕生していくような仕組みも考えています。



クリエイターを紹介するにあたり、希望者は自らの作品を掲載してPRすることができます。本来であればクリエイターが自らのアピールのために使用する「ポートフォリオ」の中の貴重な作品を提供してもらっています。クリエイターもクライアウントとの関係で掲載できるものが限られていると思いますが、作品を見ると実力をうかがうことができ、とても重要な情報となります。インターネットによってこのようなことが可能となったのですが、便利さは危険の裏返しで、ネットによる情報の共有化は、決してアイディアや才能の盗用とは違います。クリエイターの作品に関しては、一切の転載・流用を堅く禁じます。



このサイトはSOHOやフリーの方の活動を支援するとなりますが、逆に競争を激しくし、切磋琢磨を強いることにもつながります。仕事のチャンスはこのサイトを通してどんどん掴んでいただきたいと考えています。そしてその後は自らの能力と努力で、自分のステージを築き上げていただきたいと思います。インターネットができる以前から競争はありましたが、それを加速させたのがインターネットの出現です。企業も情報化時代を勝ち抜いていかなければなりません。素晴らしい能力が上手に活用され、社会全体が発展していくことがネットワークの良い使い方だと考えております。クリエイターズバンクという活動を通して、我々の業界が活性化され、発展していくことが大きな願いであります。
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